1876年、米国で開催されたフィラデルフィア博に「巨大な手」が出展された。地面から突き出したようにも見える、松明を握りしめたその右手は、現在ニューヨークにある「自由の女神」像のものである。
「自由の女神」像は、米国独立100周年を記念して、フランスがアメリカに寄贈したモニュメントだ。しかし、資金不足により、贈呈がメモリアル・イヤーである1876年に間に合わなかったのだ。
資金不足を解消するため、製作途中の像を部分的に公開し、資金を募ることになった。料金を払えば、松明の下に設けられた展望台に上がることができるようにもした。
1878年のパリ博では、女神像の頭部の展示が行われた。こちらも有料で展望台に上がれ、人々は長い行列を作った。内部構造を担当したのは、エッフェル塔で有名なギュスターヴ・エッフェルである。
女神像実物の部分展示が功を奏し、1884年に「自由の女神」は出来上がった。1885年にニューヨークに届いた像は、4カ月かけて組み立てられて米国製の台座に設置され、当初予定から10年遅れの1886年に完成した。
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