カトリック教会とロシア正教会の歴史的会合

宗教

2016年2月12日、教皇フランシスコは、キューバでロシア正教会のキリル総主教と初めての会見を行なった。教皇とキリル総主教は互いに歩み寄り、歴史的な抱擁を交わし、およそ2時間にわたる個人会談を持った。

会談後、贈り物の交換が行なわれ、教皇からは聖チリロの聖遺物とカリス(ミサ聖祭用の杯)が、総主教からはイコン「カザンの聖母」の複製が贈られた。

続いて、教皇と総主教は、教皇庁・キリスト教一致推進評議会議長クルト・コッホ枢機卿、モスクワ総主教庁・渉外局長イラリオン府主教、そして、キューバのラウル・カストロ国家評議会議長が見守る中、共同宣言に署名を行なった。

 

1054年、キリスト教教会は、東西の教会に分裂している。カトリック教会とロシア正教会の両最高指導者の出会いは、初めてのことであり、両教会の関係発展において大きな意味を持つものとなる。

両者がハバナで会うことになったのは、キューバのカストロ国家評議会議長が会談を仲介したためだ。ローマ法王は2015年9月、キューバでカストロ議長と会談した際、キリル総主教との会談に向けて協力を呼びかけた。法王は米国とキューバの交渉を仲介し、2015年7月の国交回復を後押ししてきた経緯がある。

「私たちは兄弟であり、競争者ではありません。神の名で正当化される犯罪はありません。平和な世の中を作るために宗教指導者の責任が何よりも重要です」2016年2月12日、キューバの首都ハバナのホセ・マルティ国際空港接見室。

法王と総主教は、中東や北アフリカなどの地でキリスト教徒が過激義者などの迫害に苦しめられる現実に憂慮を示し、さらなる犠牲を阻止するよう国際社会に呼びかけた。また、経済的不平等の中で苦しむ貧しい人々、新しい生活の基盤を求めてさすらう難民とも連帯すると述べた。

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