大地が平らではなく球体であると最初に唱えたのは、かの有名な数学者、ピタゴラスだとされています。太陽や月が球体であることと、ギリシャ的な対称性を重んじる価値観から、球こそが完璧な形であると考えたのです。
その後、自然科学の祖ともいわれるアリストテレスが、いくつかの根拠をあげてより論理的に説明しています。南北に長い距離を移動すると星の高さが変化すること、月食のときに月面に映る地球の影は円または円弧であること、沖合いの船はマストだけが見えることなどです。
論理的な思考はしても、実験や観察にあまり関心を持たなかったギリシャ人は、地球が丸いことを発見しても、大きさを測ろうとはしませんでした。地球の大きさは、同じ経度上にある2地点間で、距離と同時刻の太陽の高度を測定すれば、あとは彼らが得意としていた幾何学を利用した簡単な計算で求めることができるのです。
高度差すなわち緯度の差が、仮に3度であったなら、全円の120分の1だから、距離を120倍すれば地球の円周を求めることができます。この方法を思いついて、地球の大きさを測定してしまったのは、地中海に面したエジプトの港町、アレクサンドリアの図書館長エラトステネスです。
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