オーストリアの片田舎アウステルリッツでフランスとオーストリア、ロシアの三皇帝が相まみえた。その日はナポレオンにとって、皇帝に就任した戴冠式からちょうど1年目にあたる記念すべき日だった。
わずか半日足らずの戦いで、皇帝ナポレオンが率いるフランス国民軍7万5千人は、皇帝フランツ1世と皇帝アレクサンドル1世が指揮する傭兵軍8万5千人を撃ち破った。戦争の素人集団である国民軍隊が、戦争の玄人集団である傭兵軍隊に勝利したのである。
ナポレオンの軍略を研究したプロイセンの軍人クラウゼヴィッツはこう語った。
「1頭のライオンが率いる100匹の羊と、1匹の羊が指揮する100頭のライオンが戦えば、いったい、どちらが勝つだろうか。もちろん、ライオンを大将にした羊の集団が勝つのである」
「戦略的判断のミスは、十指にあまる戦術的成功を以てしても救えない」(ナポレオン)
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