アポロ11号による人類初の月面着陸は世界中を驚かせた。
そのお祭り騒ぎの後、計画は宴の後といった様相を呈した。電気系統の故障があったものの劇的な帰還を果たしたアポロ13号の後、ひとびとの関心は薄れていった。予算の縮小で、当初20号まで予定されていた計画も変更を余儀なくされ、17号での計画終了が決定された。
しかし、話はここで終わらない。
人類の月面着陸という派手なイベントが終わり、地質学者を中心にした科学者の活躍が始まる。14号の重要な地質調査、15号の「創世記の石」の採取、16号の半径5kmにも及ぶ大掛かりな本格的地質調査、ついに17号では、専門家の地質学者ハリソン・シュミットが宇宙飛行士となり、月を探査するのである。
ハリソン・シュミット博士は、日本の探査機「かぐや」が今回収集した1000万点以上の全球データによる月面の詳細地図とハイビジョン画像を見た。そして、その中から、17号ミッションでサンプルを採取したあちらこちらの懐かしい地形を確認し、当時の記憶を思い出して涙を流したという。
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