カーニバル　パーカッション

カリブ海の島々は、イギリス、フランス、スペイン、オランダなどの国々の植民地とされ、主に、西アフリカから連れてこられた黒人奴隷たちが、サトウキビなどのプランテーション農場で働かされていました。

黒人奴隷たちの待遇は、劣悪な条件であり、しばしば、植民地政府や、警察に対する暴動が発生しました。暴動は「カーニバル」の時期に多発しました。キリスト教の謝肉祭と、アフリカの楽器を用いた祝祭の伝統とが融合してできた祭礼ですが、興奮し、盛り上がりすぎて、日常の鬱憤が爆発して、暴動へと発展したのです。

1880年、イギリス植民地政府は、この黒人奴隷たちによる「カーニバル暴動」を取り締まるために、金属の棒を用いるパーカッション音楽を全面禁止にしてしまいました。

1939年、ウィンストン・スプリーが、ボロボロになったドラム缶を叩いて直そうとしたところ、凹んだ箇所によって、異なる音が出ることを発見。スティールパンの元となる楽器を偶然生み出し、一躍、黒人たちの間に広まりました。

スティールパンが有名になったのは、1941年のことです。トリニダード・トバゴに派遣されたアメリカ海兵隊への余興として、現地のミュージシャンが、ドラム缶を利用したパーカッションを披露し、大盛況を博したのです。