火星探査機 マーズ・クライメート・オービター

科学

1992年、NASAのDaniel Goldin長官が、議会などからの予算削減圧力もあり、莫大な費用をつぎ込み、数十年間かけて実験を繰り返すプロジェクトはやめ、代わりに、目標設定を低くして簡素な宇宙船を短期間に数多く打ち上げ、下請けの企業により多くのことを任せるという“cheaper, faster, better mission”を発案。

1997年7月に火星北半球に着陸した探査機Mars Pathfinderと、今も軌道を回っているMars Global Surveyorは、この方針で成功した。

1999年9月、火星探査機マーズ・クライメート・オービターは、約6.6億kmを9ヶ月かけて飛行した後、火星の軌道インパクトで炎上した。コロラドのR社のエンジニアはデータをポンド単位で送信していた。しかしデータを受け取ったパサディナのAミッションコントロールでは、常にメートル法を使用していた。発射の際からこの状態であったにもかかわらず、誰も気づかず、最初はわずかな誤差が生じただけだったが、9ヶ月でエラーが蓄積し、失敗に終わった。

探査機の損害1億2500万ドル、計画および管理費用等約1億ドル

 

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