コンクラーベと女性

宗教

ローマ・カトリック教会最高指導者ローマ法王はコンクラーベで選ばれる。ローマ法王を選出するのはこれまで男性だけだった。ドイツ人のヴァルター・カスパー枢機卿は「理論的には女性もローマ法王を選出できる」と主張して話題を呼んでいる。カスパー枢機卿は2016年4月26日、ローマで開催された会議の中で語った。

コンクラーベ参加資格は80歳未満の枢機卿となっているだけで、性別については何も明記していない。だから、カスパー枢機卿が指摘するように、「理論的には女性もコンクラーベに参加できる」ということになるが、問題はコンクラーベ参加資格の80歳未満の女性枢機卿などいないことだ。

枢機卿だけではない。司教、神父ら聖職者に女性は一人もいない。女性にコンクラーベの選挙権を与えよという前に、女性聖職者への道をバチカン法王庁は開かなければならない。バチカンに女性聖職者がいないことについて、カスパー枢機卿は、「現行の聖職者主義に固守する教会指導部に責任がある」という。

ローマ・カトリック教会は女性聖職者を認めていないが、教会史では一度、女法王ヨハンナが西暦855年から858年まで就任していたという文献が存在する。ただし、歴史家の多くは「伝説に過ぎない」と否定的に受け取っている。

2015年、サウジアラビアで初めて女性の投票と立候補が認められた地方議会選挙の投票が12月12日に行われ、13日の報道によると少なくとも女性6人が当選した。女性候補はメッカで1人、ジッダで2人、ジョフ地区で1人、アザ地区で2人が当選を果たした。

国際女性デーは、女性参政権を目指した運動がはじまり。1904年3月8日、ニューヨークの女性労働者が参政権を求めて集会を開いた。今、女性参政権を認めていないのはバチカン市国とブルネイのみとなった。イスラム教のサウジアラビアでさえ、アラブの春を背景とし、2015年から女性の立候補や投票を認めている。

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