黄金株とは

経済

黄金株とは、買収に関わる株主総会決議事項についての拒否権が付与された特殊な株式のことである。

なぜこのような特殊な株式が誕生したのか?

それは、特定の国営企業を民営化する際、民営化された旧国営企業において国家が一定の統制をきかせる必要があると考えられたからである。

日本では、平成18年5月1日の会社法の施行により譲渡制限付きの黄金株の導入が可能になっている。

黄金株は経営の根幹に関わる買収に対する拒否権を付与できるという効果から、国営企業の民営化だけでなく、一般の株式会社においても敵対的買収に対する防衛策として用いられるようになった。

そして、平成19年5月1日からの三角合併解禁が目前に迫り、外国資本による日本企業の買収が本格化するなかでさらなる注目を浴びている。

 

そもそも、黄金株制度は、1980年代初頭の英国で、国営企業の民営化を背景に創設されたものである。

当時、国営企業を市場圧力に晒すことによって規律を持たせることを目的とし、民営化が積極的に行われたが、新たに民営化された旧国営企業が民間セクターになじんで軌道に乗るまでには時間がかかるのが普通で、軟着陸させるためには一定期間の保護措置が必要なケースが多かった。

また、そうした企業は安全保障上高い公益性又は戦略的な重要性を有している場合が多く、民営化後も企業の独立性を確保して従来の事業を継続させることも必要であった。

こうしたことから、英国では、1982年にアマーシャム・インターナショナル社(平和目的の放射性物質製造企業)の株式100%を民間に売却する際に初めて黄金株制度が使われ、以後、電力会社や防衛関連企業などを中心に数多くのケースで同制度は利用されている。

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