聖職者と金融業

経済

教会は聖職者の金融業を認めてはいません。しかし、当時の巡礼の旅は非常に危険なものであったことは事実です。そのため信者はその地の騎士団支部にお金を預けて、聖地に到着してから受け取るという形をとりました。その結果、聖堂騎士団は禁止されてはいたものの自然と金融業的な役割を果たすようになったのです。日本にもこれと類似の機関はありました。手形がそれにあたります。江戸時代や、それ以前の商人達は多額の金銭を持ち歩くのに不安を覚え、また便利さも手伝って紙の手形を扱うようになります。それを両替所にもっていくと、書かれた金額の金と交換してくれるのです。

やがて聖堂騎士団は商人達の取り引きや、王侯貴族にも利用されるようになり、軍資金不足の際には、借金も行われたそうです。神に仕えるべき聖堂騎士団が、世俗の争いごとに金銭的な援助を施すようになり、聖堂騎士団も次第に慢心していくことになります。かつてのユーグの抱いた高潔な理念は失われ、暗躍とも取れる政治的取引を行うものも現れたのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました