パキスタンの歴史と歴史についての自覚

教育

パキスタンの国土の大半はインダス川流域に位置します。インダス川、と聞いてピンと来る方は多いでしょう。そう、世界最古の巨大文明のひとつ、インダス文明はまさにパキスタンの地で生まれたのです。

インダス文明の遺跡といわれるモヘンジョダロもハラッパーも、いずれもパキスタンの扇状地にあります。また、北部のほうを眺めれば仏教文明として著名なガンダーラもまたパキスタンです。さらにいえば、アレキサンダー大王が目指したインドの地もパキスタンです。

アジアと中東を結ぶ地に位置するパキスタンは、はるか昔から発展してきた人類史の中心を担う国なのです。

ガンジーは、ヒンズーとイスラムとが共存するインドを目指したのですが、皮肉にもそれを嫌うヒンズー原理主義者の手にかかり暗殺されました。

このように、パキスタンはイスラムの国として誕生しました。その独立はしかし、かつては印パ戦争をした相手であり、今でも小競り合いが続くインドの生みの親、ガンジーがいなければ、なしえなかったことでした。

 

現在のパキスタンにおいて学校の歴史教育では、1947年の建国以降しか教えないそうです。このため、パキスタンの人々は、自分の住んでいる場所が世界有数の文明の発祥の地で古い歴史と豊かな文化文明を有していた、という歴史的自覚がまったくないのです。

つまり、イギリスの支配から1947年の独立を通して、パキスタンは過去の歴史を文字通りリセットしてしまったのです。

パキスタンの人たちがより広い視野での歴史観を身につけたら、パキスタンは観光立国にもなり得るはずですが、彼らはまだそこに気がついていません。気がつきたくない、という部分もあるのかもしれません。こうした意識変化を促すのは、やはり「教育」なのです。

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