国王大権

政治

イギリスにおける「国王大権」とは、同国において君主が独占する大権として認められる、慣習上の権限、特権および免除の集合である。イギリス政府の行政権の多くは、君主に属するものが「国王大権」の委任によって与えられたものである。

 

「国王大権」は、かつては君主自らのイニシアティブにより行使されたが、17世紀頃から制限されていき、その決定につき議会に対して責任を負う、首相または内閣の助言が「国王大権」の行使には必要とされるようになっていった。

 

君主は、今なお憲法上は首相または内閣の助言に反して「国王大権」を行使する権能を有するが、実際にそのようなことが行われるのは、緊急事態か、問題となる状況に先例を適切に適用できない場合に限られる。今日でも、「国王大権」は、イギリス政府にとって重要な複数の分野に関連している。

 

外交や国防などである。これらやその他の分野において君主は重要な憲法上の地位を有しているものの、その権能は極めて限定的である。なぜなら、今日における「国王大権」を握っているのは首相その他の大臣又はその他の政府職員だからである。

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