尊皇「攘夷」は方便

政治

外国の武力に屈服した結果としての不平等条約の締結により、幕府は対外主権者として民族的独立の維持に失敗したため倒幕運動が始まり、戊辰戦争を通じて天皇を擁する雄藩連合政権が誕生した。

幕府は討幕軍を叛徒とする立場から、列国に、条約を厳守し、正統政府である幕府以外のものに武器を売ったり開港場以外の港に寄港したりしないよう求め、列国は両政府を交戦団体と認めて局外中立を布告した。

明治政府は大政奉還による王政復古という論理で正統性を主張したが、国際的には、幕府が推進した開国外交に反対妨害を加えた勢力が非常手段によってつくりあげた排外的革命政権とみられた。

そこで明治政府は列国から承認を受けるため幕府の締結した不平等条約をすべて継承し、幕府・諸藩の対外債務も継承し、開国和親の方針を採用することを声明してようやく正統政府として承認を受けることができた。 ・・・尊皇「攘夷」は方便となってしまったのである。

コメント

タイトルとURLをコピーしました